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 敷金問題と特約(特約のある場合)

旧建設省の定めた「原状回復に関するガイドライン」はあくまで指針であり、法的拘束力はない。また、契約当事者(貸主借主)が、これと異なる契約を結ぶことは自由だ。従って、自然損耗を借主に負担させる契約も、とりあえずは有効な契約条項となる。
しかし、過去の判例を見ると、「裁判上は」特約が有効となるには一定の要件が必要とされている。
@暴利的でなくかつ合理的な理由が存在する。
A借主がその特約の内容について理解している
B借主が負担することを了承している。
あくまで説明したという証拠が必要
箇条書きにされてもピンとこないだろうから、良くあるケースで説明しよう。退室時に一方的に室内クリーニング代金を敷金から相殺された。清算した大家さんに文句を言うと、「契約書に書いてあるでしょ!」と大家さん。当時の契約書を押入れから引っ張り出してよく読んでみると、豆粒のような字で「特約:室内クリーニング費用は借主の負担とする」と書いてあった。

契約書に書いてあるから請求する。当然当たり前のことだろう。初めからそういう契約ですよ。といわれればぐうの音も出ない。ところが、契約時に何ら説明もなく、後になってよく読んだら書いてあったというような場合は、上記のABを満たしていないということになる。要するに、単に契約書に記載するだけではなく、きちっとした説明と、了承したという証拠が必要。「不意打ちは駄目よ」ということだ。


特約が無効になる


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