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 敷金トラブルの発端

さて、一応考え方は示したが、ここに書かれている敷金・原状回復の考え方ことを、世間の不動産屋・大家さんが100%守っているかどうかというと、それははなはだ疑問だ。よく、テレビや雑誌で、「悪徳大家!敷金を返せ」みたいなセンセーショナルな見出しで敷金を返してくれない体験記などが載っているが、実際には全額返金しているケースの方が稀といえる。
何回も引越しをしている人は分かると思うが、敷金が全額返ってきたことの方が少ないはずだ。それだけ世間では多くの部分を借主に負担してもらっていることが多く、大家さん・不動産会社の中には「入居者が全部負担するもの」と信じきっている人も珍しくないのだ。

お世話になった大家さん
実態は法律の考え方と、世間一般大家の認識が大きくかけ離れており、これが敷金トラブルとしてしばしば勃発する。ここでは、頭ごなしに悪徳だ過剰請求だとか言うことはせず、より現実的な話をしよう。

もう年のせいか、日ごろ面倒見もよく、人当たりの良い非常に良い大家さん。大変お世話になった。このたび、結婚を機に引越しすることになった。大家さんも喜んでくれた。今までのお礼と挨拶も済まし気持ちよくおさらばしたつもりが、後日、敷金を返してもらいに立ち寄ったところ、返ってくるどころか、ニコニコ顔で逆に補修費の追加請求をされた。


請求している大家さんに悪意はないことも
こういうケースの最も大きな問題は、大家さん自体が「過剰請求している」という認識が全くなく、当たり前だと思っているということだろう。確かにあなたが公的機関なり、裁判に訴えれば敷金の大半は帰ってくる。しかし、このお年よりの大家さんは、感情的にあなたを逆に「恩知らず」と見るだろう。あなたとしても今までの良い関係を反故にして、大家さんと争いたくない。しかし文句を言わないと敷金は帰ってこない・・・

まさにジレンマである。どうするかはあなたの判断に任せるが、選択肢は2つ。一つに、言われるままにお金を払う、もしくはある程度は妥協する。確かに払わなくても良いお金かもしれないが、お世話になったから最後に立つ鳥跡を濁したくない人、運が悪かったとあきらめるのも一つの手。次に大家さんとの今までの関係を反故にして抗議なり、裁判なりをする方法だ。

いずれにしても、これはあなたの意思に任せるしかない。ただ、過剰請求=悪意と思い込み、頭に血が上って大家さんに強烈な宣戦布告をしないようには気をつけたほうがよかもしれない。


妥協点を探る


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